たくさんの重ねられた淡い色が、作品になる瞬間。

ある夏の日、作家のみんなと一緒に、田舎の農家に泊まりに行って冒険することになった。彼女は待ち合わせの日の1日前にギャラリーに現れた。なんとまあ。あの時の照れた笑顔は、何回思い出しても私を笑わせてくれる。その人がこんな絵を描きます。

はじめて上田優子の絵と出会った時、胸の奥がざわついたのを覚えている。
表面に現れている色や形の奥に重ねられた、穏やかな情熱のようなもの。
長い時間をかけて、何枚も何枚も絵を描いてきた人の絵だと感じさせてくれる絵。

Petrushka #3

Petrushka #3

はじめて上田優子さんと会った時、なんておおらかで芯の強い女性だろうと感じた。
その頃、まだ、社会人だった彼女は、絵を描くことが好きでたまらないといった風だった。
私も若かったから「仕事も大切だけど、こんな絵がかけるんだったら、もっともっと絵を描いてほしいな」と思った。
次に会った時「仕事を辞めて、ニューヨークに行きます!」と朗らかに言った。
人によって価値観は違うけど、世間では簡単に辞めないような会社に勤めていたのに。
彼女が、目の前にある何かをぐんと越えた瞬間を目の前で見た。
もちろん不安にもなった。
どんなことがあったとしても、絵を辞めないでほしいと心から思った。
そして、それからもう10年の歳月が過ぎた。
もちろん彼女は今も絵を描いている。

彼女の絵には、色が溢れている。
作品になるまで、薄い色のレイヤーを、何度も何度も重ねてたどり着く。
本当に何度も。

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