いぬさん My first Kiyoshi Soda

版画っていうのはいい所がたんまりある。その中のひとつはエディションがあるから、個展の時、私が先に好きな作品を選んで買っても大丈夫って所。ただ、ただね、画伯のエディションは分母が3とか、ひどい時は1とか書いてある。ピカソが言ったでしょ?「版画を作ってよかった所は、一部のお金持ちの所に飾られるだけじゃなく、いろんな人に所有してもらえる所だ」って。でもまあ、作品との出会いって、その時、その瞬間だからね。そういう出会いは大切にしなくちゃ。

「いぬさん」そだきよし

「いぬさん」そだきよし


いぬさん

いぬさんは旅にでる。
雨が降ろうが風が吹こうが、ちょとくらい疲れちゃっても全然平気。
どんどん、どんどん歩いてく。
旅先にはきっと今まで見たことないようなものが、たくさん。
いろんな匂いと、いろんな感触。
くんくん嗅いで、バンバン触って、忘れない。

歩いて、歩いて、どんどん歩いて好きな駅に着いたら、列車にのろう。
列車に乗って、もっと、もっと端っこまで行ったら、飛行機に乗ろう。
海をわたって違うなわばりについたら、またまた、どんどん歩いてみよう。
そうして、いろんななわばりの端っこまで歩いたら、お家に帰ろう。
大好きなものや、大好きな僕の小屋がまっていてくれるお家へ。
そうして、みんなに「ただいま、僕は元気」をしたら、また旅立とう。
今度は、絶対、ロケットも描いておかなくちゃ。

そんな感じに見えた、いぬさんでした。

もう15年近く前になる。そのあといろんな作品がたくさんそろっていった。
作品は多くて全部は飾れないけど、いぬさんはいつも飾ってある。
あっギャラリーには飾ってないよ。だって、非売なんだもん。
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