ジャランジャラン とうとう僕らの出番だね。

ひと雨ごとに秋の気配。必死で求愛していたセミさんたちがひと段落したら、僕らの出番。僕らはセミさんと違って、ちょっぴりナイーブ。美しい音色でアピールするよ。秋のオーケストラなんて褒められたりもするんだ。

ジャランジャラン

ジャランジャラン

最近、窓の外の近い部分から「キッキッキッキッ」っていう虫の声が聞こえませんか?
コオオロギとかスズムシだったら聞いたことがあったけど、この「キッキッキッキッ」っていうのは最近きづいた気がして、調べてみました。
どれどれ、


そう、この声この声。カネタタキって言うんだ。

日本では本州、四国、九州、南西諸島に分布する。樹上性であるが、都市部やその近郊の街路樹や庭木に多く生息し、例えばJR新宿駅周辺や秋葉原電気街の街路樹や植え込みにも多くの個体が認められる。逆に、あまり深い森林や山地などには棲んでいない。  wikipedia

オス同士が接近すると「チルルチルル!チルチル!チルルルルルル!」という競い鳴きをするんだそう。へええ。その鳴き方はまだ聞いたことないなあ。注意しておこう。

さて、このカネタタキという虫は、なかなかお目にかかれない虫さんらしい。
ただ、日本では古くは清少納言の「枕草子」にも登場しているふしがある。

枕草子 第四十段 「虫は」
虫は、鈴虫。茅蜩。蝶。松虫。蟋蟀(きりぎりす)。機織り。われから。
ひをむし。蛍。
蓑虫(みのむし)、いとあはれなり。鬼の生みたりければ、親に似てこれも恐ろしき心あらむとて、親のあやしき衣引き着せて「今、秋風吹かむ折ぞ、来むとする。待てよ」と言ひ置きて逃げて去にけるも知らず、風の音を聞き知りて、八月ばかりになれば、「ちちよ、ちちよ」と、はかなげに鳴く、いみじうあはれなり。

この文章を読むと、なんだかミノムシが鳴いているように読み取れるけど、現在ではこの中で「ちちよ、ちちよ」と鳴いているのは、どうもカネタタキらしいのではないかとされている。清少納言でさえカネタタキの声は聞いていても、姿は見たことがなかったので、こういう表現になったんじゃないかな。

今は簡単に調べられるから、カネタタキさんのお姿はネットの草むらをググってください。清少納言にも見せてあげたいな。

あっでも見つけられなかったから、あの第四十段 「虫は」ができたんだよね。
簡単に言うと、日本では昔、ミノムシは鬼の捨て子とされていて、秋風の吹くころになると「父よ、父よ」と、迎えにくるはずのない父親を慕って鳴くということが書かれている。うーん確かに、いみじうあはれなり。

ミノムシといえば、蓑虫の父よと鳴きて母もなしという高浜虚子の俳句もある。これもきっとカネタタキの声をミノムシだと思ったからできた俳句なんだろうと思う。

読書の秋とも言いますから、もう一度枕草子でも読みかえしますか。

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