「ティファニーで朝食を」のセリフから
Holly Golightly: You think so? I’m fat as a pig, and I haven’t had my hair done, but I’m happy, really happy. It probably shows. You look tres distingue yourself.
寒い季節のいいところは、おしゃれがたくさん出来るところ。夏は夏で楽でいいけど、やっぱり冬のおしゃれは楽しい。息が白くなってきたら街中がキラキラして、襟元とかふかふかにしたくなる。
最近は芋虫みたいなコートが流行ってるけど、カチッとした仕立てのいいコートもいいよ。寒くても背筋が伸びる。
映画「バニラスカイ」の中でも、パーティに来たペネロペが黒いスキーに行くようなモコモコダウンを着てくる。それをみたキャメロン・ディアスが「あの芋虫のようなコートを持った子」という表現を使っている。まあ、でもトムはペネロペを選ぶんだけどね。
今が大好きなのもいいと思う。でも、ちょっと背伸びしたいと思うのもいい事だと思う。それが、どんな形なのか人それぞれなんだと思うけど。
「ティファニーで朝食を」はトルーマン・カポーティの小説。主人公のモデルはカポーティの友人の一人。生まれは貧しいけれど母親がお金持ちと結婚したことで富裕層の仲間入りをした女性。
このころの小説を読むといつも思うことがある。途中からお金持ちになって、物心ついた時からお金持ちの人たちの中に入った人は、どんな感じがするんだろうと。初めからお金持ちの人はその状態が普通だから、自分がお金持ちだってことはあんまり意識しない気がする。そして、みんな自分たちと同じなんじゃないかしらんと思って行動してしまう。
でも、途中から参加型の人は自分がお金持ちになった瞬間を知っているし、そうじゃなかった時の生活も知っている訳だから、ちょっとすれ違ちゃったりしちゃうんじゃないかな。
こういうことを考える時、フィッツジェラルドとゼルダのことをなぜか思う。
ちょっとだけの背伸びは可愛いけれど、あまりにも手の届かない世界に憧れて自分たちらしくなくなるくらいなら、それはやめたほうがいい気がする。どっちにしても、社会からの基準がどうであれ、自分の力で生きている人は素敵だと思う。
好きな男の子からもらった初めてのクリスマスプレゼントは、ムーンリバーのオルゴール。歌詞の意味をちゃんと聞いてねというメッセージと一緒に。そのあと二人でならんでピアノを弾きました。そういえば、物心ついてからお父さんにもらった初めてのプレゼントも、素敵なオルゴールでした。私がロマンチックな女の子に見えるのか、ロマンチックな女の子に少しでもなって欲しかったのか、どっちだろう。
この作品の子は、きっと玉の輿を狙ってる。そっち方向で女を磨くぞ!って感じがするもん。「ドアは開けてね、荷物は持たないわよ。」そして絶対ガードル履いてて、シャンパンはピンドン(ピンドンという言葉も苦手)が一番美味しいと思ってるはず。へへへ。