説明
マティスの切り絵(カットアウト)をもとにした挿絵本『JAZZ』は、1947年、パリで出版人テリアードによって250部限定で出版されました。
晩年、腹部の癌手術以降ベッドで過ごすことの多くなったマティスは、体力的に難しくなった油絵のかわりに色紙を切り貼りする切り絵(カットアウト)に注力していきます。
もともと病気がきっかけとなった切り絵(カットアウト)ですが、エッジのきいた色彩によるリズミカルな表現はマティスのひとつの到達点といえるのではないでしょうか。
『JAZZ』の制作にあたってマティスは色の再現性にこだわり、テリアードとともに様々な手法を試した結果、ステンシル(ポショワール)版によって制作されました。
このポスターは1985年に出版された小型の普及版『JAZZ』よりとられたものです。色は4色プロセス印刷ではなく特色でアイボリー色の用紙に印刷されており雰囲気のあるものとなっています。