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kumacaron かわいいのか、かわいくないのか。そこが問題だ。いや、そこが問題か?

Kumacaron Z
Kumacaron Z

ある日のお客様との会話。
A 50代の紳士。会社の会計をしている。個人的にも絵をたくさん持ってる。
B 30代女性。2児のお母さん。その会社の社長の娘さん。
C 30代 やり手のギャラリースタッフ。

A「知り合いの会社の方が、新しい幼稚園を建てたから、何点か絵を送りたいんだけど。」
C「わかりました。おすすめの作品をお見せできるようにしてご用意しておきます。」

数日後

B「これかわいい♡ マカロンとくまさん。色も可愛いし、これも買おう!」
A「だめだめ。よく見てよ。くま、自分でお腹縫ってるじゃん。気持ち悪いって!」
C 「・・・」(そうですか?そこは別に・・・をグッと飲み込む)
B 「ええっ、別にいいじゃん」
A 「いやいや、もっと、無難なのにしようよ。」
B 「ええええっ。」
AB 「ねえ、どう思います?」
C 「作品としては、いい作品だと思います。」
A 「自分たちのだったらいいけど、新築祝いのプレゼントだから、これはだめ。」

まあ幼稚園の新築祝いにこの絵をすすめた「C 30代 やり手のギャラリースタッフ」もなかなかのものだが、この会話はなにも特別なことではなく、画伯の作品をおすすめするときに時折ぶつかる会話で、この会話に発展しない場合は、「そうそう、こういう絵!こういう絵って、どうやったら描けるんだろうね。僕も高校生の頃絵を描いてたんだけど、こういう絵は描けないんだよね。これ、ちょうだい!」ってなります。

でも、子供って結構好きだよね、クビチョンパとか、お腹からなんか出てるとか。バービー人形なんて、必ず頭禿げてきて、そのうち首なくなってたよね。まあ、最近は変な事件も多いから「子供の頃、幼稚園で見たクマの絵が、俺を変えたんだー」とか裁判の時に言われてもこまるしね。

私はカトリック系の幼稚園に行ってたので、毎日、入り口にあったマリア様がおすましして蛇を踏んずけてる像をみて「うわっ、この人、綺麗な顔してやるなあ」と思ったし、近くの歯医者さんにあったゴヤの画集(特に『我が子を食らうサトゥルヌス』)がみたくて、用もないのに遊びに行ったりしてたけど、別に猟奇殺人とか起こしてないし、いたって優しい心持ちの人間だと自負している次第で。

というわけで、この作品、まだあります。
絵が好きで、ご自分へのプレゼントとして作品をお探しの方、子供さんの情操教育に自信をお持ちの方、ご連絡お待ちしております。くまさんは、お裁縫が得意です。別にお腹からなにか飛び出してるってわけじゃありません。TED好きな私には、何の問題もないんですけどね。

作品にもTPOってものがあるので、お花とか普通の風景とか、素直に「綺麗ねえ」っていう作品がうちのギャラリーにはあんまりないなーと改めて思う。でも、そういう作品が必要な時でも大丈夫!ちゃんと、ご用意できますよ。だてにずっとギャラリーやってるわけじゃあないですからっ。