説明
昭和40年代の復刻版
東京国立博物館その他の原画を、日本浮世絵協会の理事長だった楢崎宗重氏監修のもと、色彩・品格・時代色等を尊重し手刷度数を惜しみなく重ねて仕上げられた復刻版。
「謎の絵師」
東洲斎写楽は、江戸中期、寛政6年から7年にかけての約10ヶ月間に140点余りの作品を残して忽然と消えたため謎の絵師として知られる。本名生没年不詳。
『二代目瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木と中村万世の腰元若草』について
写楽作品の中でも特に評価の高い第一期の作品でオリジナルの版元は蔦屋重三郎。
本図は寛政6年5月、河原崎座上演の「恋女房染分手綱」に出演した富三郎のやどり木と万世の腰元若草の二人を一図に描いたものである。
写楽は他に、市松と富右衛門と此蔵、淀五郎と善次のように、男優二人を対置した構図もつくり、女形では別に、喜代太郎と善次を写したものがある。
一人だけを画いた場合には、勿論画かれていないところにある相手役を想像しながら、そのエキサイトした感情表現のすばらしさに圧倒的な感銘をうける。
だが上半身二人を扱った絵となると、その二人の表情描写の中に画因が集結されてくるので、その扱いはまた別趣である。
万世と富三郎でもそうであって、二人の風姿や個性のちがいと役柄による性格のちがいが、渾然として一種のカリカチュア的な印象が強く高められている点が留意されるであろう。
––解説 文学博士 楢崎宗重
- 100%バージンアルファセルロース(酸加水分解により作品に悪影響を与えるリグニンを除いたパルプ)を原料とします。
- アルカリ性緩衝剤の添加によりペーハー値は保存額装マットの標準である 8.5±0.5に保たれています。
- 特許マイクロチャンバー技術が悪性ガスを吸着し、作品を積極的に守ります。
- 保存額装、あるいは一般的な額装で作品を永続的に保護したい場合に最適です。